飲食店が取り組むべき「危害分析」…もう昔の知識じゃ維持できない!

「飲食店ででも実施できるHACCPの手順」と題して、江藤諮氏が自ら様々なデータや文献を収集、識者らとも検討を重ねたお話しを丁寧に解説してくれた。

今年6月の法改正で、原則としてすべての食品等事業者の皆様にHACCPに沿った衛生管理に取り組んでいただく、と厚労省が発表。しかし、巷にはあまり敏感に反応する様子がないというのが実際の感覚。加工業者ですら、HACCPについての取り組みがリアルでない中、小規模で運営している様々な飲食店に「HACCP?なにそれ?」というところだろう。しかし、厚労省は対象をすべて、としているので、たとえ小規模でも(ワンオペで回すような規模でも)、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理、を行うよう指導している。関連して、いろんなガイドラインなどが出されているようだが、江藤氏は、そのリアルでない部分に大きく疑問をいだいて、ほんとうに飲食店が自らを守る(=食中毒などを発生させてしまわない)ために、この手順を構築してきたとのこと。

講義は、飲食店がもっとも警戒すべき「食中毒」の確認から始まった。驚いたのは、同じサルモネラ菌であっても、昔は1万以上の増殖により被害が発生していたが、今は、100程度の存在でも、健康被害になりうるということ。また、冬場であれば、10人に1人は、ノロウィルスを保菌していると考えたほうがよいということなど、昔の常識のままで管理していたら危険であるという事実。だから「菌を保有している人がかかわっても大丈夫な管理」が必要なのだと納得。

HACCPで取り組むにはまずは危害分析なので、工程の洗い出しから行う。江藤氏が「現場」感覚をもっていてすばらしいのは、”今まで事故がなかったのであれば、それなりのレベルでできていた”と肯定するところからスタートしているという点。机上で形を整えるのではなく、本来の目的に到達するために本当に「危険」な要素をあげて、そこを徹底して管理することが重要という。事業者が「なぜ」そうした管理をしているか、を考える….これは、有機の検査であっても、共通かなと思う。懇親会も含めて、様々な情報交換がたくさん行われ、充実した土曜の午後となった。


 

 

 

 

 


 

 

2018年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi