飲食店が取り組むべき「危害分析」…もう昔の知識じゃ維持できない!

「飲食店ででも実施できるHACCPの手順」と題して、江藤諮氏が自ら様々なデータや文献を収集、識者らとも検討を重ねたお話しを丁寧に解説してくれた。

今年6月の法改正で、原則としてすべての食品等事業者の皆様にHACCPに沿った衛生管理に取り組んでいただく、と厚労省が発表。しかし、巷にはあまり敏感に反応する様子がないというのが実際の感覚。加工業者ですら、HACCPについての取り組みがリアルでない中、小規模で運営している様々な飲食店に「HACCP?なにそれ?」というところだろう。しかし、厚労省は対象をすべて、としているので、たとえ小規模でも(ワンオペで回すような規模でも)、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理、を行うよう指導している。関連して、いろんなガイドラインなどが出されているようだが、江藤氏は、そのリアルでない部分に大きく疑問をいだいて、ほんとうに飲食店が自らを守る(=食中毒などを発生させてしまわない)ために、この手順を構築してきたとのこと。

講義は、飲食店がもっとも警戒すべき「食中毒」の確認から始まった。驚いたのは、同じサルモネラ菌であっても、昔は1万以上の増殖により被害が発生していたが、今は、100程度の存在でも、健康被害になりうるということ。また、冬場であれば、10人に1人は、ノロウィルスを保菌していると考えたほうがよいということなど、昔の常識のままで管理していたら危険であるという事実。だから「菌を保有している人がかかわっても大丈夫な管理」が必要なのだと納得。

HACCPで取り組むにはまずは危害分析なので、工程の洗い出しから行う。江藤氏が「現場」感覚をもっていてすばらしいのは、”今まで事故がなかったのであれば、それなりのレベルでできていた”と肯定するところからスタートしているという点。机上で形を整えるのではなく、本来の目的に到達するために本当に「危険」な要素をあげて、そこを徹底して管理することが重要という。事業者が「なぜ」そうした管理をしているか、を考える….これは、有機の検査であっても、共通かなと思う。懇親会も含めて、様々な情報交換がたくさん行われ、充実した土曜の午後となった。


 

 

 

 

 


 

 

2018年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

硬いかも…SDGs。でも、つながる…。

2018年5月19日、東京は京橋の環境情報センターで、「オーガニックで、暮らしやすい環境を整えるという目標を!」と題して勉強会を開きました。こじつけたようなタイトルに、快くご対応いただき、一般社団法人環境パートナーシップ会議 事務局長の尾山優子氏にSDGsを解説してもらいました。なんといっても、17もの目標、さらには169ものターゲット。いずれかにオーガニックもひっかかるだろう、ということではあるけれど、国連で採択されたというだけあって、概要説明は、なかなか硬い中味。でも、参加者も交えて、身近な事例や課題がとびだすと、「ふむふむ」「なるほど」とつながっていくという流れになりました。もともと、SDGsを材料に「考える場」をもうけたかったので、しなやかにご対応くださった参加者のみなさんと尾山さんに感謝。生産現場のさまざまな課題は日ごろから耳にするけれど、改めてとらえると問題はバラバラではなく、つながっているとストンときました。また、近頃は学校教育のなかで徹底して環境教育をしているので、世代間で”前提”が違うね、などという話題もでて、未来にちょっと期待がもてたり。しかし、いま、我々はどうするの?少し横に目線を広げるところからかなあ…などと終わった後のお茶会でも、盛り上がりました。

2018年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

JOIA/IOIA 検査技術講習会 (農場コース)を開催します

オーガニック検査技術講習会(農産コ-ス)– 4日間

オーガニック検査員として活動することを検討されている方、認証業務にかかわる方、これから

認証を取得したいと考えている事業者の方、流通や販売に携わる方、有機認証の仕組み、検査の

手法を学んでみませんか。

開催日程: 2018年9月25日(火)~ 9月28日(金)   

講習会場:   早稲田奉仕園 セミナーハウス」 (東京都新宿区)

          ホームページhttp://www.hoshien.or.jp/index.html

          東京都新宿区西早稲田2-3-1  TEL 03-3205-5411

          アクセス: 東京メトロ東西線 早稲田駅より(徒歩約5)

 

詳しくはJOIA事務局までEmailにてお問い合わせ下さい(info@joia-organic.com).

 

 

mousikomi(申込書)

youkou(要項)

有機JASアップデート 充実の解説

2017年4月26日。企画当初予定していたわけではなかったのですが、改訂したJAS規格の施行日に、規格解説のセミナーを開催しました。

講習は、第1部で今回の規格改正のポイントの解説、第2部で国会で審議されるJAS法の改正について、第3部は、昨年の認定の技術的基準の改正のおさらいという構成ですすみました。講師の丸山氏は、JAS規格調査会委員として、会議中に交わされた情報もまじえながら、わかりやすく説明していきました。ただし、当初は改正した部分のQ&Aがでていると想定していたのですが、セミナー当日までにはなく、判断がわかれるところや、確定しにくい箇所もありました。特に、今回は「きのこ」の生産にかかわる部分の改訂が多く、「ここをQ&Aで説明してほしいですね」などと参加者との間で疑問を確認する場面もありました。これらは、丸山氏から農水省に要望をだすことになり、結果が反映されるのを期待して終了しました。

参加者は、登録認定機関、検査員、認定事業者や流通業者の方々など、さまざまでしたが、休憩時間には参加者の間で情報交換もされ、充実した時間となりました。

2017年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

福岡で意欲あふれる受講生がJOIA/IOIA研修に!

2016年1月23日~26日にかけて、福岡でJOIA/IOIA検査技術講習会の加工コースを開催しました。

この講習は、2015年7月に、ホールフード協会のメンバーの要請をうけて、農場コースを開催した結果、

「検査員になりたい!!」という意欲あふれるメンバーから、「ぜひ、加工コースも!」という声を

うけて、開催する運びとなりました。

すでに農場コースに参加された方が多いなか、新たにチャレンジされた方も!平年にない大雪のなかの

模擬実習も無事こなし、みなさん、無事に修了の運びとなりました。

参加者のおひとりからいただいた感想です。

オーガニック食品に興味を持ち始めまだ日が浅く、研修前はどのように勉強すれば良いか不安でいっぱいでした。

いざ講習が始まってみると、講師の方々の教え方が上手で、かつこれまで実施されてきた検査の様々な体験談を交えながら講義いただき、初心者である私にもとてもわかり易く、イメージしながら講習を受けられましたのでとても勉強になりました。

研修時は、福岡ではめったに無い積雪というアクシデントに見舞われ、滑る道路を歩きながら講習会場まで行き来した事、タイヤチェーンを巻きながら八女市までの模擬実地検査を行った事等、思い出に残るハラハラドキドキの4日間でした。山口

 

 

 

 

 

2016年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

オーガニックコットン勉強会と圃場見学~「タビオ奈良」を訪ねて~

JOIA関西支部7月例会報告

7月25日、太陽が照りつける中、奈良県広陵町のタビオ奈良㈱を訪問し、オーガニックコットン栽培圃場見学と勉強会を開催しました。今回は作吉JOIA理事長のはからいで、JOCA(日本オーガニックコットン協会)との共催が実現し、JOCAの方々やコットンに関心のある異業種の方もあり、15人が参加しました。

綿花の畑を見学

タビオ㈱(本社:大阪市)は、メイドインジャパンの靴下屋さん、日本の職人の繊細な技術によるものづくりにこだわったメーカーです。国内に250店舗、海外にも50店舗を展開し、注目を集めています。靴下を製造するだけでなく、東北コットンプロジェクトを立ち上げ、3.11で塩害に苦しむ田んぼで綿花栽培をするなど、社会貢献もされています。

その子会社であるタビオ奈良㈱が奈良県広陵町にあり、オーガニックコットンを栽培しているということで、まずは圃場を見学させてもらうことに…。

圃場は広陵町広瀬というところの田園地帯の中にありました。5月末に播種した綿花は20cm~50cmほどの背丈まで伸び、小さなつぼみをたくさんつけて、風にそよいでいました。

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農薬や化学肥料を使わずに栽培しており、圃場に入ると、コオロギがピョンピョンと元気に飛んでいました。それでも葉っぱはツヤツヤと美しく、また、茎がしっかりしているように思いました。まもなく花をつけ、秋にかけて背丈も1m以上に成長し、11月には収穫を迎えるそうです。

 

 

 

会長さんのお話

その後、本社の会議室をお借りし、オーガニックコットン栽培の勉強会を開きました。

最初にタビオ(株)の越智直正代表取締役会長のお話がありました。コットンは塩分を多く含んだ土壌でも育つということで塩害対策として始めた東北コットンプロジェクトでしたが、コットンは気温25度を保たねばならないとされているので、最初はつめたい風の吹く東北で栽培できるのか非常に不安だったと当時を振り返っておられました。靴下屋の会長さんなのに、なぜか「素足」です。聞いてみると、工場を廻った時にさっと靴下を履いて、出来上がりをテストするために、いつも裸足なのだそうです。会長のゴーサインが出ないと製品にはならないとのこと。

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「ちまたでは外国産の安い靴下があふれているが、1足あたりの原価はたった49円。安い綿糸を使っていいものができるはずがない。タビオは国内産の綿糸に徹底的にこだわった製品を作り、儲けより品質を追究している」と力説されました。

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引き続き、タビオ奈良㈱の平井修司代表取締役社長も、「造って喜び、売って喜び、買って喜び」をめざしてがんばっていますとお話してくださいました。タビオは近々オープンするイオンモール新都心にも参入するそうです。

 

 

 

 

 

オーガニックコットン栽培へのとりくみ

タビオ奈良(株)研究開発事業部の島田淳志さんは、ここ奈良の綿花圃場で栽培指導をされています。2009年に40aから始めた綿花栽培は、広陵町の耕作放棄地や休耕地を借り上げ、現在では5haにまで栽培面積を増やしてきました。シルバー人材センターを活用し、平均71歳の9人の作業員が島田さんの指導のもと、働いています。

写真6播種、から収穫後の管理にいたる生産プロセスのコツを映像を交えながらわかりやすくお話してくださった中で、最も印象に残ったのは、害虫駆除についてでした。

奈良県では5月中旬から6月にかけてヨトウムシが出没し、せっかく発芽し、開いた本葉をまるごとプツッとくいちぎってしまいます。被害状況をよく観察してみると、ヨトウムシは1箇所(1穴)に1匹、一晩に1本を食いちぎるとわかりました。1穴には3粒の種子を播きます。そこで最初の被害があったときに、虫の居場所を突き止め捕獲すれば、残りの2粒から育った苗は助かるというわけです。ヨトウムシ被害が収まってから間引きをし、優良苗を1本残して育てていきます。駆除を繰り返しおこなったせいか、今年はヨトウムシの生体が減り、被害が少ないそうです。

また、アブラムシもつきますが、これは大雨が降ると消えてしまうことがわかりました。ナメクジはなかなか手ごわいのですが、これもよく観察してみると、新芽にはつくが、本葉にはつかないことがわかり、それなら新芽の時期は育苗施設でポット育苗し、本葉が出揃ってから本田に移植すればよいと気づいたということです。害虫は、ほかにも芯食い虫やコオロギがいます。綿花を雑草と共生させることで、雑草に害虫を誘導し、綿花が害虫に耐えられるまでに成長するのを待って、草刈を実施するようにしているそうです。多勢に無勢、戦っても勝てないのであり、害虫は「撃退するより共存へ」と考えを改めたと話していました。

それにしても、そのたゆまざる観察と粘り強い取り組みには脱帽し、感嘆しました。コスト削減、収量アップ等の課題を見据えながら、これからもサスティナブルをめざしてがんばっていきたいとしめくくられました。

フリートーク

島田さんのお話のあと、参加者の質問やフリートークの時間をとりました。ここには書ききれないので、詳細は割愛しますが、品種によって様々な特徴があること、今や世界中で栽培されるコットンのは90%がGMOだということ、収穫後の残渣の活用方法、隣接からの飛散の防止方法、他地域のコットン栽培等についてなど、多岐にわたって活発な意見交換がなされました。

おまけ

解散後、最寄駅前の居酒屋で、タビオ奈良の島田さんを囲んでJOIAメンバー恒例の飲み会をやりました。島田さんが履いていたタビオの靴下を見せてもらってビックリ! モダンな色使いとデザイン、そしてつま先とかかとの幅が普通の靴下よりずっと広く、たっぷりとってあるのです。それがよい靴下のしるしだとか。きっと履き心地も抜群なのでしょう。

今まで安い靴下を使い捨てのようにしていた暮らしを改め、タビオの靴下を愛用し、友だちにも広めて、国内産コットン栽培を応援したいな~と強く心に誓いながら帰途につきました。

タビオのみなさま、貴重な圃場見学と勉強会の機会を設けて下さり、ほんとうにありがとうございました。すてきな靴下のおみやげもうれしかったです。

この場をお借りして、JOIA一同、心より御礼申し上げます。

現地を見学し、当事者のお話を聞く…それはものづくりのストーリーを知ること、そしてストーリーあるものを身につけることがもたらす生活と心の豊かさ…JOIA関西支部では、そうしたオーガニックが結ぶご縁をこれからも大切に育てていきたいと思います。

(畑節子)

 

2015年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

貿易ゲームで大興奮!

貿易ゲーム 風景27月18日、JOIA夏の例会は、「フェアトレードの必要性を知るワークショップ」。タイトルが悪かったのか

いまひとつ反応が鈍かったのですが(そのあとの納涼会のみ参加という方が何人いらしたか!)、今回は、

JOCAのみなさんとの共催で、ワークショップとしてはちょうどよい人数が集まりました。

フェアトレードラベルジャパンの方々のリードに従い、グループにわかれ、しのぎをけずって大興奮(?)

の時間でした。この盛り上がりを期待せずに参加した方も多かったと思いますが、久々のヒット、でした。

参加した感想を江藤さんにお願いしたら、楽しいメッセージをくださいました。しかし、これではネタバレ、

になってしまうということで、書き直してくださいました。ゆえに、ちょっと堅い印象ですが、解説してし

まうと、次にご参加される方がつまらないので、お許しください。

***

今回参加したワークショップは、フェアトレードを理解するためのお勉強?

と思っていましたが、違いました。

詳細はネタバレになるので控えますが、研修終了後の感想は、

「経済のグローバルな動きは、実は個々人の考え方や行動に帰結する。」

という事を実感しました。

大変興味深かく、楽しめた研修でした。(江藤諮)

***貿易ゲーム 風景DSC05758

 

2015年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

関西支部例会報告(2015年4月)

開催日:2015年4月25日(土)

<兵庫県丹波の里「魚住農園」訪問とタケノコ掘り体験>

本日の例会は、関西支部のメンバー、魚住隆太氏が仕事のかたわら週のうち4、5日は通っておられるというログハウスを訪問。200坪の田・畑を見学のあと、タケノコ掘りも体験するという盛りだくさんの内容で、昼食は鹿料理を予約してもらっています。願ってもない爽やかな晴天に恵まれ、舞鶴自動車道春日インター近くの道の駅「丹波おばあちゃんの里」で参加者6名が落ち合いました。

さっそく案内してもらったログハウスの周りには、フキ、アスパラガス、ハーブ、ブルーベリーなどなど所狭しと植えられ、とてもよく手入れをされていると感じました。そして、ダンボールで囲んで籾殻を入れ陽が当たらないようにしてあるウドを、今日はみんなで取り出そうと言ってもらい、高さ80センチほどの囲いの中の籾をすくい出すと、真っ白い瑞々しいウドが何本も出てきました。どのぐらいの日数囲ってあったのか、お聞きするのを忘れましたが、貴重な体験をさせてもらいました。連作障害を避けるため、年毎に入れ替えをしているという畑と田が目の前に広がり、畑にはニンニク、タマネギ、エンドウなどが植えられていました。田ではまもなく布マルチを使っての(直播のような)水稲栽培が始まると思われます。

ほ場視察

(栽培状況を一つずつ、丁寧にご説明頂きました。後ろ姿ですみません。。)

udo

(籾殻の中ですくすくと育ったウド)

さて、ログハウスの中へ。びっくりするほどの焼酎、日本酒、ウイスキーがあっちにもこっちにも並んでいます。農作業のあと、グラスを片手に奥深~い思索にふける魚住さん、なのですね。

お昼は地元近くの鹿料理店「無鹿」へ。バルサミコ酢か塩麹かのどちらかの味付けを選び、それぞれ注文しました。肉はほんのりピンクがかって、臭みもなく味わい深く頂きました。

鹿肉

(塩麹の鹿肉。器もとっても素敵でした)

タケノコ掘りは想像以上に大変で、私はがんばってもやっと1本を掘り出せただけでした。途中で合流したハッチさんとお友達、奥田さんなど体力のある男性が力を発揮して、たくさんのタケノコを収穫できました。魚住さんが、大きく伸びたタケノコを地際で切り取り、皮をむいて身の節ごとに色の黒くなった部分を取り除き、こうしたら食べられるよと教えて下さいました。翌日炊いたらほんとに柔らかかったです!

集合写真

(新たな仲間を迎えて、全員で記念撮影@魚住さんの竹林)

魚住さん、ご苦労して整えられてきた竹林で、山椒の葉まで摘ませてもらってありがとうございました。タケノコは鶏もも肉との炒め煮、美しい色白のウドは1/3を短冊に切って酢味噌和えに、残りは贅沢にもキンピラにして頂きました。新鮮なうちに頂かなくてはと、大いに張り切りました。

「自然」と「農業」の魅力を実感した一日でした。                   (藤本 記)

2015年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Keiko

NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」4話・5話

皆様

NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」4話と5話(最終回)が終了しました。そこで、前回投稿の妄想ドラマ「限界集落と大内家の有機JAS」の4話と5話も発表したいと思います。4話と5話はまさに有機JASが本編のテーマとなり、裏妄想シナリオも細かくなっていきます。

妄想ドラマ 第4話 萩野鉄平の有機JAS認定

正登が有機JAS認定を取得した翌年、集中豪雨で冠水をしたが、観光農園をはじめ、正登の畑の周囲からの土砂の流入は皆の協力でなんとか食い止めることができた。雨が止んだあとの写真をとり、登録認定機関「ふるさと農業センター」に送付し、1週間後には、ふるさと農業センターから検査員が来て、慣行圃場の土砂の流入のないことの確認を受け、有機履歴は継続できることが確定した。収穫物がほとんどない中、母のもちきび(もちとうもろこし)が思わぬ反響をよび、来年は村をあげてもちきびの栽培をすることになった。そんな中、村の若手生産者萩野鉄平から有機JAS認定を取得したいと相談を受けた。しかし、萩野家の畑はすべて慣行農法、鉄平が有機栽培しているのは、自家用の一部のみ、来年もちきびに有機JASをつける分としては面積が足りない。ちょうど、離農した小野さんの畑のうち20a分がずっと無農薬無化学肥料でやってきていたので、その畑を借り受けて有機JASの面積を増やすことで計画をたてた。

鉄平は、もちきびの収穫までに認定を取得できるよう取り組んでいた。しかし毎日忙しく、野菜の収穫と包装・納品、有機圃場での雑草とり、虫対策に追われた。研修生に「有機殺虫剤の木酢液をとってきて」と思わず口走ったが、ああ、木酢液は有機殺虫剤ではなくて、植物の活性力強化の目的で散布するんだったと、テヘペロと顔がにんまりした。しかしその研修生が突然の失踪。有機JASの内部規程のワープロ打ちを研修生に頼んでいたのでなれない作業が加わることになり、それでなくても忙しいのに、寝る間もなく作業をし、イライラがつのったうえ、熱中症になりかねないような猛暑の中、もうろうとした状態で家にもどり、気づかぬうちに赤い把手の農薬散布機を木酢液の散布機と間違えて畑にまいてしまった。

大宮の独立行政法人農林水産消費安全センター(FAMIC)では、登録認定機関ふるさと農業センターの事業所調査の一環として買い上げ調査の計画をたてた。今年は買い上げ調査の対象に、直売所を選択することとし、トマリ直売所もその対象に含まれた。そこで、萩野鉄平の有機もちとうもろこしから農薬が検出された。FAMICは、農林水産省消費安全局表示規格課の監視班と相談し、とりあえずこの状況を販売者であるトマリ直売所に伝えることとなった。

妄想ドラマ 第5話 有機JAS認定の行方

FAMIC事務所で、本省の監視班と合同の会議が開催された。調査結果は、うっかりミスに該当するレベルであることが聞き取り調査でわかった。これで行政処分を課すべきか、行政処分となると平成24年の加工品に対する表示の抹消命令以来である。しかし、このとうもろこしはすでに表示は自粛しており、抹消命令を出すまでもなく、書面による事実の確認のみとした。一方、登録認定機関ふるさと農業センターにも一報した。すでにマスコミでもこの件は取り上げられており、ふるさと農業センターでもアクションをはじめているとのことであった。それにしても、監視班とFAMICが合同で調査にいったことが、農業新報の記者にわかったことが解せないと会議で話題になった。当日記者が直売所に来てひと悶着あったらしい。どうやら別の取材でトマリファームに行くつもりであった記者が、農水省のユニフォームで訪問していった職員を見たのが、気づかれた原因らしい。ここは普通のスーツでいったほうが気づかれなかったかもねと、課長補佐につぶやかれた。

ふるさと農業センターにおける調査においても、故意ではないという判断になったが、ここでも激論となり、格付停止処分か認定の取り消し処分か、判定会議で意見が二つにわかれ大もめにもめた。結論として、認定の取り消し処分が決定された。弁明の機会を与える会議の通知を出したが、時を同じくして鉄平の父が脳梗塞で倒れて、弁明をする会議に参加できないと連絡があり、代理人として同じ集落内の認定生産管理者大内正登が、意見の陳述に参加した。正登は農薬の散布は故意ではないこと、散布したのは1圃場だけでもう1圃場では何も使用していないことなどから、寛大な処置を要請したが、結果は当初の結論通り取消となった。しかし、1年を超えればもう1圃場を利用して再認定申請が可能であることが付記された。

その次の年、偽装問題と騒がれた前年から徐々に売上が持ち直すようになり、秋の収穫祭を迎えた。東京の夜のクラブで瑞希がもちきびを50本、1本3,000円で売ったことを聞かされた正登は、瑞希の陰ながらの応援に感動し、復縁への思いが募るのであった。こちらの行方はと期待するうちに、湘南乃風のエンディング曲「ロード」が流れ、妄想はお預けとなるのであった。

 

 

2015年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

NHK 土曜ドラマ「限界集落株式会社」で有機農業をやってます

皆様

NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」はご覧になっていますか?有機農業をテーマに、村の再生に取り組むドラマでたいへん面白くハマっております。

全5回ですでに3回が終了し、第3回の終わりは波乱の展開となってきております。主人公は、13年ぶりに実家に戻り有機農業を続ける大内正登、その娘美穂、そして謎のコンサルタント多岐川優の3人です。

(かんたんなあらすじ)

大内正登は、若くして有機農業を始めたが、農協とトラブルになり、借金を残したまま東京で出て行ったきり戻りません。父の一男は息子の帰りを待ち望み、いつ帰ってきてもいいように息子の有機農業を継続していました。その父が死に、葬式のために13年ぶりに実家に戻った正登は、父が有機農業を続けていたことを知り、実家に戻り有機農業を続けます。しかし、経営は厳しく一度は有機農業をやめようと決心しましたが、謎のコンサルタント多岐川の登場により、有機農業を続ける決意をしたところです。

(有機JAS)

さて、この大内正登は、有機野菜を直売所で販売するシナリオになっています。ということは、当然大内さんは有機JASの生産行程管理者の認定事業者ということになります。実家に戻ってから短い期間で認定をとるのはさぞたいへんだったことでしょう。そこには、ドラマには出てこない苦労があったことと思います。ほぼ1か月で有機JASをとり直売所で売り始める、別の闘いがそこにあったのではないでしょうか。

そこで、勝手ながら妄想ドラマ「限界集落の大内家の有機JAS」というタイトルで筋書を書いてみました。ドラマと同時進行でお届けします。

妄想ドラマ 第1話 正登の復帰と有機JASの取り直し

正登が家を出たのは13年前。ということは有機JAS制度はすでに始まっていた。若くして有機農業に取り組んだ正登は、自ら有機JAS認定を13年前に取得した。これで農協だけでなく、個人の販路も広げたいと思っていた。その矢先の東京への家出となったのである。父一男は有機農業は引き継いだものの、さすがに有機JASを継続するところまではいたらず、農協出荷のみにたより、有機表示をしないで出荷していた。ほどなく、登録認定機関から廃止届を出すように促され、正登の代理で、一男が廃止届を出していた。そして、正登は復帰。ところが有機JASは継続していないことを知り、新たに取り直しをする必要性が出てきた。しかし有機農業自体をやめるかどうかの決断でゆれているところであり、有機JASどころではなくなった。

妄想ドラマ 第2話 有機JASの認定取得へ

多岐川の登場と美穂の存在により、有機農業の継続を決心した正登、さらに多岐川が直売所で有機野菜を売りたいという構想を知った正登は、多岐川に「有機JAS認定をとらないと有機野菜は売れない」と伝える。多岐川は「ならすぐに認定をとってください」と認定の取得を促され、取得を決心する。多岐川は直売所1か月で300万円を売り上げると豪語する。これに少しでも有機野菜の販売で貢献するのにタイムリミットは1か月以内。以前取得の経験があるので簡単に取れると思っていたら、JAS法の改正がされており、講習会から受け直しだという。これはたいへんだと気合を入れなおす。そして、いろいろな人の協力により、正登は有機JASの認定を取得。1か月のうちの最後の1週間くらいは、有機JASマークをつけた「有機野菜コーナー」を設営でき、なんとかまにあった。

妄想ドラマ 第3話 嵐の中の有機JAS

直売所では、有機JASマーク付きの野菜を順調に売り始めた。直売所の壁には正登の有機JAS認定書も飾られている。母の弥生と、娘の美穂にも講習会を受講してもらい、母の弥生に格付担当者として仕事を補ってもらっている。一方正登の畑を利用した観光農園も始まり、研修生とともに週末は観光農園で親子への有機農業指導もしていた。そんな中、大雨警報が発令され、集中豪雨となった。正登は畑をみて作物がダメになったのをみて呆然とした。その時、村の重鎮菅原が自分の畑も顧みず、正登の畑にやってきた。「作物はどうだっていいんだ、一男の作った土を守れ!」と檄を飛ばされた。はっとわれにかえった正登。「父の作り上げた土を守ることは、隣接の慣行圃場の土が流入するのを防ぐことだ。有機野菜を売り続けるには、隣接圃場の土の流入と水没だけは防がなければ、また3年待たなければならない」と考えた。自然災害の場合のQ&Aがあることまではとっさに思い出せなかったが、とにかく大雨の中みんなで一男の土を守ろうと懸命の正登だった。

 

2015年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin