ハラール認証講座を開催しました

サイードさん ハラール認証品

サイード氏(ボードにはハラールの文字)       ハラール認証品の数々。中にはペットボトルの水も!

 

2014年8月21日(木)、東京都大田区の入新井集会室で、「ハラール認証講座」を開催しました。

ちまたでは、加工食品メーカー、ホテル、レストランでハラール認証が注目されてます。この講座の講師は、日本アジアハラール協会(NAHA)の理事長、サイード・アクターさん。サイードさんは、日本の有機JAS登録認定機関での勤務経験があり、JOIAの検査技術講習会も受講されています。オーガニックの検査のポイントや、認証システムに精通している方が、現在はハラール認証に携わっているというご縁から、今回の講座の開催にいたりました。

ハラールというのは、イスラム法で許された(合法的な)項目(もの であったり、ことであったり)をさすそうです。食品や化粧品などはもちろん、”もの”としてハラール認証の対象となるわけですが、仕事をするとき、生活をするとき、常にそれが「ハラールであるか」が重要な意味をなすとのこと。その根底を理解...とまではいかないものの、サイードさんの説明で、ハラールの基本的なとらえ方について、イメージができたのではないかと思います。講座そのものは、第1部は、ハラールとハラール認証システムの解説、第2部は、ムスリムへの接し方や配慮、第3部にムスリムフレンドリー(NAHAで日本でハラール対応をするために作ったハラール認証に準じた規格で、主にホテルやレストラン、医療施設などへの適用を対象としたもの)について、という流れで展開しました。

来日されてからの生活も長いサイードさんが強調されたのは、ムスリムの方は、同じ品物が並んでいれば、必ずハラール認証マークがついたほうを選ぶということ(その市場を世界規模でみれば、16億人!)。また、メイドインジャパンの品質が高いことを知らしめるという意味でも、ハラールマークはとても役にたつということ。すなわち、輸出だけでなく、国内での需要(在日のムスリム、観光のムスリム)がとても高くなる可能性があるということでした。世界中では、ハラール認証の期間は500以上あるといいます。これはオーガニックより多いかほぼ同じぐらい。数字でいえば、4人に一人がムスリムという現状を考えると、大きな市場であることは間違いないでしょう。また、日本各地のすばらしい観光地に、ムスリムフレンドリーの認証をうけた施設がたくさんあることで、世界中からお客をよべるようになる!という、大きなお話しが展開されました。

具体的な禁忌についての説明や、有機JASの内部規程をひきあいにした認証での必須書類などの解説もあり、たっぷりハラールにひたる一日となりました。

MS

2014年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Mutsumi

村上護氏還暦記念講演(JOIA関西支部定例会報告)

6月14日、大阪駅前第2ビル生涯学習センター研修室にて、JOIA関西支部定例会「村上譲氏還暦記念講演~食生活論・入門~」を開催しました。

食にまつわる用語

「走り」と「名残」の違いは何ですか?そんな質問から始まった村上さんのお話。いつもグッとひきこまれてしまうその話術は健在でした。旬より早く出回るのが「走り」、旬を過ぎて残っているのが「名残」です。たとえば、「走りのマツタケに名残のハモ」といった使い方をします。なかなか通な感じがしますね。ほかにも、原料と材料、調理と食品加工、食料と食糧などの違いについて、矢継ぎ早に質問が浴びせられ、指名された参加者たちは目を白黒させて答えていました。

 

食文化とは何か

質問はさらに続き、「(人は)なぜ食べるのか?」「火食の開始によって、食生活はどう安定したか?」など、興味深い質疑応答で講義はすすみました。必死で取ったメモから一部転記してご紹介しましょう。

食文化とは、「個人の食習慣が歴史を経ることにより、その国、地方、地域、村などで生まれ育ち、生活する人々によってある程度のまとまりを生じ、それが変化しながらも、そこで未来に継承されることが見込まれるもの」であり、人々が上手に食生活を営み続けるのに役立ちます。

食習慣が急激に変化すると悪い影響を及ぼす事例が二つ紹介されました。

事例①日本のある長寿村で、昭和60年、新しい道路ができ、トラックでさまざまな食品が村に運ばれて来ました。これまで粗食で健康的な食生活を送っていた村人たち、特に若者たちは、それまで口にしなかった食物を食べるようになります。やがてエネルギーを過剰摂取するにいたり、糖尿病等の生活習慣病を患うようになり、親より若い世代が次々に先に死に至る「逆さ仏」現象が起こりました。「さかさぼとけ・・・」。人間のいのちの循環まで狂わしてしまう、なんておそろしい現象でしょう。

事例②トンガの国の人々の主食はタロイモです。しかし、そこへパンが輸入されるようになり、みんなパンを食べるようになりました。パンは急激な血糖値の上昇を招きます。タロイモは同じ炭水化物でも食物繊維が豊富に含まれているので、太っても健康でいられるのです。健康には味付けしていない野菜が一番とのこと。

話はさらに、日本の食文化史に及び、500年前に西欧から油と砂糖が入ってきて、これが旨味のもととなったこと、日本食は300年前、庶民が食文化の担い手となることを通じて完成し、それまで生きる糧であった食は、文化へと発達したこと等を学びました。

 

コクとは何か?

コクとは、学術的に意味が定まっておらず、村上さんご自身が研究したいテーマだそうです。味とは、五味を意味し、甘味、塩味(しょっぱい)、旨味、苦味、酸味です。辛味は痛覚であり、味には該当しないとのこと。そしてコク=残り味ではないかと村上さんは定義づけておられました。みなさんはどう考えますか?

村上さんの還暦記念講演は、みんなの心に深いコクを残し、拍手喝采で幕を閉じました。村上さん、ありがとうございました。

 

村上さんを囲んで懇親会

講義のあとは、場所を変え、お待ちかねの還暦祝いをしました。村上さんにみんなから、赤いちゃんちゃんこならぬ、赤いバラの花束と扇子をプレゼント。滋賀県産野菜料理のお店の個室で、つきない会話に大阪の夜は更けていきました。今回嬉しかったことは、はるばる静岡からJOIA新理事長の作吉さんが駆けつけてくださったことでした。作吉さん、静岡名産しらすパイのおみやげ、ありがとうございました。また、JOIAを一度離れられた元会員のお二人が参加され、JOIAにカムバックしてくれたことです。

ゆるやかでもずっと続くつながりを、もっともっと広げていきたい、めざすはJOIA西日本支部だ!と盛り上がったのでした。

 

2014.6.14  畑節子記

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2014年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : Keiko