種苗会社の仕事とは….夏のセミナー開催しました

2023年8月5日、リモートにて、ベジョー・ジャパン株式会社 代表取締役の熊野貴宏氏をお招きし、なかなか聞けない「種苗会社」のお仕事について、いろいろお話しを伺いました。

熊野氏は、大学等で育種や環境などについて学び、種苗会社や化学会社に勤めたのち、現在はベジョー・ジャパンの代表の業務をこなす傍ら、有機の検査員としての活動も行っていらっしゃる。ベジョーは、有機の種を供給する種苗会社としても海外では有名で、シェアもかなりをしめているとのこと。日本では、有機種子、というカテゴリーがないが、有機栽培された野菜の種を品種は限られているが供給している。

今回は、農業生産において、大事な種のことを、自社の情報を中心に、世界に展開している他の種苗会社との棲み分けの話などもおりませ、ご紹介いただいた。

種が、どうやって栽培、選抜されていくのか、その栽培にかかるたいへんな労力、また選抜で様々な工夫をしながら、安定した種を供給することの大変さなどが、写真をふんだんに使いながら説明があった。

品種改良の現場では、短期に傾向や結果を把握するための技術はすすんでおり、遺伝子マーカーなどの活用、PCR、組換え、ゲノム….などについても触れ、「種屋は悪いことばかりしているのでは?」などと偏見をもたれていることを苦慮されていた。

サイエンスリテラシーがあがれば…ということもおっしゃっていたのが印象的であった。私のような有機バカは、ともすれば、様々な恩恵をうけていながら、新しい技術を頭から否定する、というリスクがある(ことを自覚している)。まずはどのようなものなのかをきちんと理解することから始めなくては、と改めて感じたセミナーでもあった。

アンケートも好結果だったが、まだまだ聞き足りない。有機の種の今後についてなど、伺ってみたい。(作吉)

 

2023年8月6日